マグロにもいる寄生虫「ヘキサプンクタータ」夏季に注意

子育て生活/LIFE

寄生虫:アニサキス

テレビなどで食虫毒の原因で話題になっていた寄生虫アニサキス。マダラやスケソウダラ、サケ、サバ、サンマ、ホッケなどに寄生します。人によっては食虫毒症状がでることがあるため、食中毒の予防に熱を加えて調理したものか、マイナス20度の冷凍で24時間以上経過したものであれば問題なく食べることができます。

アニサキスが引き起こす食中毒

アニサキスは通常自然に排出されるのですが、人によっては3日から4日ほど、胃壁や腸壁に留まることで「食虫毒」とされるアレルギー症状を引き起こします。放置して自然に排出される場合もありますが、アレルギー症状は吐き気やおう吐と、胃がねじれているような激しい痛みを伴うこともあるため病院を受診すると内視鏡でみつかることが多くなっています。

 

私もみたマグロにもいる寄生虫

私はだいぶ前に鮮魚で刺身を準備するアルバイトをしたことがあります。半解凍したマグロの身を刺身用にカットしていくのですが、初めてカットするときに寄生虫がいることを教えられました。その当時は寄生虫をみつけたら取り除くだけだと聞いていたので気にもしなかったのですが、アニサキスの話題でふと思い出し、マグロにいた寄生虫は大丈夫なのかと調べたところ、私がみた寄生虫は食中毒を起こすほどではないことがわかりました。マグロに寄生している寄生虫は「粘液胞子虫類」といって、マグロの他にカジキやカレイにも寄生しています。ほとんどの粘液胞子虫類は影響ないことが多いのですが、一部報告ある寄生虫について下記にまとめてみました。

新種の寄生虫「ヘキサプンクタータ」

2015年に新種として発見されため、ごく最近にみつかった寄生虫です。マグロを食べたあとに原因不明の下痢やおう吐があったという報告があり原因は「ヘキサプンクタータ」と呼ばれる粘液胞子虫類の一部の寄生虫であることが分かったのです。近海でとれたクロマグロで多く報告されており、成魚と比較すると若魚で報告された例が多く、人によっては症状がでない人もいます。2016年に新潟県で研究報告されたもので、寿司店でメジロマグロ、クロマグロの若魚である寿司を食べたあと十数名が軽い吐き気やおう吐などの食中毒症状を発症しています。夏の時期に報告例がみられるようなったため、クロマグロの若魚は食虫毒の可能性を念頭に入れておきましょう。

ヒラメに寄生する「クドア・セプテンプンクタータ」

「粘液胞子虫類」のクドア・セプテンプンクタータ(Kudoa septempunctata)とよばれるヒラメに寄生いしている寄生虫は食中毒の報告があり、吐き気やおう吐の症状がみられます。このクドア・セプテンプンクタータもアニサキスと同様に加熱か冷凍で食中毒を予防することができますが、冷凍はマイナス20℃で4時間以上が必要となり、加熱は75℃の温度で5分以上熱を通す必要があります。ヒラメは冷凍すると味が落ちると言われており生で食することが好まれています。冷凍の方法以外に味が落ちない食中毒予防法がないかと研究されていますが、クドア・セプテンプンクタータの食中毒報告の多い時期が8月から10月ごろまでとなるため念頭に入れておきましょう。

その他の魚にいる寄生虫

 

寄生虫の名前 寄生する魚
アンコウ微胞子虫 キアンコウやアンコウ
ウオノコバン シログチ、スズキ、タイなど
カツオ糸状虫 カツオ
カニビル ズワイガニ
サケジラミ アトランティックサーモン/タイセイヨウサケ、サケ、マス類
サヨリヤドリムシ サヨリ
サンマウオジラミ サンマ
シュードテラノーバ アンコウ、タラ、オヒョウ、ホッケ、マンボウ、イカなど
タイノエ マダイ、キダイ、アカムツ、アマダイ類、マルアジなど
ディディモゾイド類 カジキ、サバ、カツオ、マダイ、トビウオ、クロマグロ、メカジキなど
テンタクラリア カツオ
ニベリニア スケソウダラ、マダラ、スルメイカ
ハダムシ ブリ、カンパチ、ヒラマサ
フィロメトラ イサキ、スズキ、カサゴなど

上記の寄生虫はすべて人に寄生するものではなく、比較的除去しやすいものから、除去しにくいものもあります。画像を探してみたのですが、鳥肌ものだったので、気になる方は画像検索からどうぞ。

魚を美味しく食べる

上記のように意外に寄生虫は多いのでびっくりしたことでしょう。ですが私はこれまで魚で食中毒を起こしたことがありません。焼き魚や煮つけなどが好きなせいもあるのかもしれませんが、現在報告の多いアニサキスの食中毒は記憶していてもいいのかもしれませんね。

たくさんの漁業の皆さんが大変な思いで食卓に運ぶ魚。食中毒が起こらないようにさまざまな検査や工夫がされています。普段どおりの食卓でこれまで問題がなければいつもどおりでいいでしょう。ただこれから新種や、新たに食中毒を引き起こす寄生虫の報告がある可能性はありますので、お魚に限らず普段と変わった食事の後に、吐き気や下痢の症状が見られる場合には医療機関でみてもらうようにしましょう。報告例からクロマグロの若魚のうようにみつかることもありますので、多くの情報が予防につながるのです。


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